MENU

溶接棒の種類色分けとJIS規格を現場目線でやさしく解説入門

溶接棒の種類と色分けについて調べていると、溶接棒色分け一覧や溶接棒色分けの意味、溶接棒の見分け方、溶接棒の種類選び方、JIS溶接棒規格、ステンレス溶接棒色分け、棒端色といった言葉が次々出てきて、かえって混乱してしまうことはないでしょうか。

現場では「この黄色の棒はステンレスだったよな?」「青い棒は低水素系だったはず」といった会話が飛び交いますが、メーカーごとのルールやJIS規格の有無まで考え出すと、一度頭の中を整理したくなるかなと思います。

この記事では、あなたが実際に溶接棒を手に取ったときに、色から大まかな種類や用途をイメージできるようにしつつ、「色だけに頼りすぎると危ないポイント」もセットで押さえていきます。  溶接歴の長い私が、現場目線で噛み砕いて解説していくので、これから色分けのルールをきちんと理解したいあなたにも、復習したいベテランのあなたにも役立つはずです。

最後まで読めば、自分の現場や工場に合った溶接棒の管理ルールもイメージしやすくなると思うので、気楽な気持ちで読み進めてみてくださいね。

  • 溶接棒の種類と色分けの基本ルールを整理できる
  • JIS規格とメーカー独自色分けの違いを理解できる
  • ステンレス・低水素・肉盛など種類別の色の意味が分かる
  • 現場で溶接棒を取り違えないための管理のコツが分かる
目次

溶接棒の種類と色分けの基礎

まずは、溶接棒の種類そのものと色分けの関係をざっくり押さえておきましょう。  棒端色や二次着色の意味、JISで決まっているケースとメーカー任せのケースを分けて考えると、一気に整理しやすくなります。

溶接棒種類一覧と色分けの関係

溶接棒の種類と言うと、軟鋼用、高張力鋼用、ステンレス用、耐熱鋼用、鋳鉄用、硬化肉盛用など、母材の種類で分けることが多いですよね。  さらに被覆アーク溶接棒であれば、イルミナイト系、ライムチタニヤ系、高酸化チタン系、低水素系といった被覆剤のタイプでも分類されます。

色分けは、この「種類」と「被覆タイプ」を現場で一瞬で見分けるためのコードのようなものです。  たとえば、神戸製鋼のように軟鋼用Bシリーズ、低水素系LBシリーズ、ステンレス用NCシリーズ、肉盛用HFシリーズといったラインごとに、ある程度まとまりのある色のルールを持たせているメーカーもあります。

ただし、ここで大事なのは、同じ種類の溶接棒でも、メーカーが違えば色分けがまったく別物のことが多いという点です。  軟鋼用イルミナイト系を緑で塗るメーカーもあれば、別の色で運用しているメーカーもあります。

ポイント

  • 色分けは「種類」「被覆タイプ」「用途」をざっくり示すコード
  • ステンレスの一部を除き、色はJISで統一されていないことが多い
  • メーカーをまたいで「この色=この種類」と決めつけるのは危険

溶接棒色分け一覧と棒端色の基本

「溶接棒色分け一覧が欲しい」という声はよく聞きますが、その前に押さえておきたいのが棒端色という考え方です。  棒端色は、溶接棒の端面に塗られた色で、もっとも基本的な識別マークになります。

被覆アーク溶接棒やTIG溶加棒では、棒端色に加えて、被覆の外周やグリップ付近に二次着色が入ることもあります。  二次着色は、同じ系統の中で強度レベルや用途を細かく分ける役割を持っていて、低水素系LBシリーズなどはこの組み合わせでかなり細かい情報を持たせています。

棒端色と二次色のイメージ例(神戸製鋼系)

系統 代表銘柄 棒端色 二次色 ざっくりした用途
軟鋼イルミナイト系 B-10など なし 一般構造用・汎用
軟鋼ライムチタニヤ系 Z-44など 銀灰 青白 仮付け・点付けなど
低水素系 LB-26 青白 なし 軟鋼用・標準
低水素系 LB-52 青白 490MPa級ハイテン用
ステンレス304用 NC-38など なし SUS304向け
ステンレス316用 NC-36など なし SUS316向け

この表はあくまでイメージですが、実際の現場でも、棒端色=大きな分類、二次色=強度や用途の細かい違いと覚えておくと、整理しやすくなります。

溶接棒の色の意味と見分け方

ぱっと見た色には、それなりに意味があります。  たとえば、低水素系では青や青白系が多く、ステンレス308系は黄色、316系は白や緑、硬化肉盛用は赤やオレンジといった「雰囲気の共通点」があります。

一方で、色そのものは物理的な強度や成分を保証しているわけではありません。  あくまで「この系統ですよ」「これは普通の軟鋼用ではなく肉盛用ですよ」といった現場向けのサインです。

色で見分けるときの注意点

  • メーカーごとに色の割り当てが違うため、色だけで判断しない
  • 退色・汚れ・錆で色が変わって見えることがある
  • 特にステンレスや耐熱鋼は、誤使用すると腐食・割れに直結する

溶接部の強度や耐食性は、構造物の安全に直結します。  色をヒントにしながらも、必ず箱やラベルに表示されたJIS・AWS規格、銘柄名で最終確認する習慣をつけておきたいところです。

色の見分け方に慣れてくると、作業台の上やロッドオーブンの中をざっと見渡しただけで、「あ、ここに肉盛棒が紛れ込んでいる」「低水素系とイルミナイト系が混在している」といった違和感にも気づきやすくなります。

JIS溶接棒色分けと規格の違い

溶接棒の世界で少しややこしいのが、「JIS規格が決めていること」と「メーカーが勝手に決めていいこと」の境目です。  JIS Z3211(軟鋼・高張力鋼・低温鋼用被覆アーク溶接棒)やJIS Z3221(ステンレス鋼用被覆アーク溶接棒)などでは、材料の成分や機械的性質、試験方法などはきっちり決められています。

ステンレス棒については、JIS側で色の運用例が示されていて、SUS304用(308系)は黄色、SUS316用は白系、といった共通の言語が比較的通じやすい領域です。  一方、軟鋼や高張力鋼の被覆アーク溶接棒では、色分け自体はJISで統一されておらず、メーカー各社が独自のルールで運用しているのが実情です。

JIS規格と色分けのざっくり整理

  • JISは「材料の規格」を決めるもの(引張強さ、成分など)
  • 色分けは、多くの場合メーカー独自のルール
  • ステンレス棒は、JISをベースに色の共通ルールが生まれやすい

このあたりを分けて考えておくと、「JISは同じE4319なのに、A社は緑、B社は赤ってどういうこと?」といった素朴な疑問にもスッキリ答えられるようになります。

神戸製鋼溶接棒色分けの特徴

国内の現場でよく見かけるのが神戸製鋼(KOBELCO)の溶接棒です。  シェアが大きいこともあり、同社の色分けルールは、もはや事実上の標準として扱われることも多いです。

軟鋼用Bシリーズでは、B-10の緑、B-14の薄茶、B-17の黄色といったように、イルミナイト系の中だけでも色を振り分けています。  ライムチタニヤ系のZ-44は棒端色が銀灰、二次色が青白で、「仮付け・点付けならZ-44」というイメージとセットで覚えている方も多いはずです。

低水素系LBシリーズでは、「青や青白=低水素系」という強いメッセージが込められています。  そのうえで、二次着色を使って強度や用途を細かく分けています。

神戸製鋼LBシリーズの代表例(イメージ)

銘柄 強度レベル 棒端色 二次色 ざっくり用途
LB-26 軟鋼 青白 なし 一般軟鋼の低水素系標準
LB-52 490MPa級 青白 高張力鋼用の定番
LB-52U 490MPa級 青白 パイプ裏波専用
LB-62 590MPa級 青白 より高強度なハイテン用

ステンレス棒NCシリーズや耐熱鋼用CMシリーズ、硬化肉盛用HFシリーズも同様に、系統ごとに色が整理されています。  詳しくメーカーのPDFやカタログを眺めてみると、自分の現場でよく使う銘柄だけでも一覧化しておきたくなると思います。

溶接棒の種類別色分け活用術

ここからは、ステンレス・低水素・硬化肉盛といった種類別に、色分けをどう現場で活かすかを見ていきます。  あわせて、溶接棒の種類を選ぶときの考え方や、混在を防ぐ管理のコツも整理していきましょう。

ステンレス溶接棒色分けの選び方

ステンレス溶接棒は、母材となるステンレスの鋼種と、必要な耐食性・耐熱性に合わせて選ぶのが基本です。  色分けはその「鋼種の違い」を一目で示すサインとして活躍します。

代表的なイメージでいうと、SUS304用の308系は黄色、SUS316用は白系、低炭素グレードのL材では緑が絡んでくることが多いです。  異材溶接用の309系は黒や青系など、メーカーごとに少し揺れはありますが、「308=汎用オーステナイト」「316=モリブデン入りで耐食性アップ」「309=異材・耐熱」という方向性は共通です。

ステンレス溶接棒を色で選ぶときの考え方

  • まずは必ず図面や仕様書で「母材の鋼種」「Lグレード指定の有無」を確認
  • 次に、箱のラベルのJIS・AWS記号を見て、鋼種に合っているか照合
  • 最後に、棒端色を「最終チェック」として使う(色だけで決めない)

特にLグレードは、粒界腐食対策として指定されることが多く、通常グレードと混同すると検査でNGになることもあります。  「緑が入っている方がLっぽい」という覚え方をしている人もいますが、メーカーによって微妙に違うので、あくまで補助的な感覚にとどめておくのが無難です。

食品・医薬品・化学プラントなど、腐食や漏えいのリスクがシビアな現場では、ステンレスの選定ミスは大きなトラブルにつながります。  正確な情報は公式サイトや最新カタログを必ず確認し、最終的な判断は専門家にご相談ください。

低水素溶接棒色分けと種類の要点

低水素系溶接棒は、厚板や拘束のきつい継手での割れ対策に欠かせない材料です。  青や青白の棒端色を見ただけで「あ、これは低水素だな」と反応できるようになっておくと、現場での判断がかなりラクになります。

ただ、低水素系の世界でも、軟鋼向け、490MPa級、590MPa級、裏波専用、高能率タイプといったように、種類がかなり細かく分かれています。  そこでメーカーは、同じ青白ベースに白・黄・桃・黒・紫といった二次着色を組み合わせることで、用途の違いを表現しています。

現場でよくある低水素棒のミス

  • 軟鋼用(LB-26系)をハイテン用と勘違いして使用し、アンダーマッチングになる
  • 590MPa級(LB-62系)を軟鋼に使用し、溶接金属が硬くなりすぎて割れやすくなる
  • 裏波専用を通常のすみ肉に使ってしまい、ビード形状が狙い通りにならない

低水素棒は、吸湿管理も重要です。色がきれいに見えていても、被覆が湿気を吸っていればトラブルの原因になります。  ロッドオーブンの温度管理や再乾燥条件は、必ずメーカーが出している条件を基準に運用してください。

硬化肉盛溶接棒色分けと用途整理

ブルドーザーのブレードやクラッシャーの刃先、ショベルのバケットの先端など、摩耗する部分の補修には硬化肉盛溶接棒が活躍します。  これらは一般構造用とはまったく目的が違うため、色分けもかなり派手なものが多いです。

代表的なのは、赤やオレンジの棒端色です。視覚的にも「普通の棒ではない」雰囲気が強く、現場で混ざっていても一目で気づけるようになっています。  二次着色で硬さや摩耗特性をさらに分けているメーカーもあり、「赤+黒」「オレンジ+青白」など、組み合わせで性能の違いを表現しているケースも見られます。

肉盛棒を構造部に使ってはいけない理由

  • 硬さが高く、延性が小さいため、衝撃や曲げで簡単に割れることがある
  • 構造物として必要な靭性・疲労強度が確保できない
  • 溶接後の加工性も悪く、補修や再溶接が難しくなる

肉盛用の赤やオレンジの棒を、「たまたまそこにあったから」といってスカラップの補修などに使うのは、かなり危険です。  色でしっかり警戒しつつ、補修計画自体も設計者やメーカーと相談しながら決めていきましょう。

溶接棒種類の選び方と混在対策

色分けを理解できたら、次は「そもそもどの種類の溶接棒を選ぶべきか」という話です。  私が現場で説明するときは、だいたい次の3ステップで考えます。

  • 母材の種類(軟鋼、高張力鋼、ステンレス、鋳鉄など)
  • 必要な性能(強度、靭性、耐食性、耐熱性など)
  • 溶接姿勢や能率(立向・上向、裏波の有無、肉盛りの必要性など)

この3つを整理したうえで、JISやAWSの記号、メーカーの推奨表をチェックし、最後に色でダブルチェックするイメージです。  色から入るのではなく、色で確認する、という順番ですね。

溶接棒の混在を防ぐ現場の工夫

  • ロッドオーブンや保管棚を「銘柄ごと」に分け、色分けラベルも貼る
  • 乾燥炉から出すときは、トレーごとに銘柄名を書いたタグを付ける
  • 色が分からなくなった棒、銘柄不明の棒は潔く廃棄する

溶接棒の選定や管理は、技量だけでなく「段取りの良さ」も問われる部分です。溶接棒を適切に選べるようになると、仕事の範囲も広がりやすくなりますし、単価アップにもつながりやすいです。  もし、将来フリーランスでやっていきたいと考えているなら、溶接工 個人事業主として成功するための完全ガイドのような情報もセットで押さえておくと、キャリアのイメージがつかみやすくなると思います。

また、溶接工の人手不足や将来性が気になるなら、業界全体の状況を整理した溶接工の人手不足と将来性の解説も参考になります。  技術と知識に加えて、こうした背景を知っておくと、どの資格や材料に力を入れるべきかも見えやすくなります。

溶接棒の種類と色分けのまとめ

最後に、この記事で整理してきた溶接棒の種類と色分けのポイントを、ざっくり振り返っておきます。  ここだけ読み返しても、頭の中の整理に使えるはずです。

この記事のまとめ

  • 溶接棒の種類は、母材・被覆タイプ・用途で整理し、その上で色分けを理解するとスッキリする
  • 棒端色は「大分類」、二次着色は「強度や用途の細分類」を示すことが多い
  • ステンレスの一部を除き、色分けはメーカー独自ルールが中心なので、色だけで判断しない
  • 神戸製鋼など大手メーカーの色分けをベースに、自分の現場用の一覧を作ると便利
  • 溶接棒の種類選定は、母材・必要性能・姿勢の3点から考え、色は最終チェックとして活用する

溶接棒の種類と色分けをきちんと理解しておくことは、作業効率だけでなく、安全性や品質にも直結します。  ただし、この記事で紹介した内容や数字、色のイメージは、あくまで一般的な目安です。実際の仕様や許容範囲は、メーカーや工事ごとの条件によって変わります。

正確な情報は公式サイトをご確認ください。  また、重要構造物や高温・高圧設備など、トラブルが大きな事故につながりかねない現場では、最終的な判断は専門家にご相談ください。  この記事が、あなたの現場での判断材料の一つとして役立てばうれしいです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次